リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ - 9月 04, 2020 秀句鑑賞2020年句会報 ここに落ちるつもりだつたか牡丹雪 葉狩淳子 一片の牡丹雪が地へたどり着いた。ふつう牡丹雪の句は浮遊 している空中の描写か、もしくは地に着いた時点で作品は終り である。しかしこの句は普通終りのところから始まっている。 本当はもっと別なところがあったのではないか…、ためらうよ うに落ちた牡丹雪を見て、自問自答の作者の姿が見えてくる。 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ コメント
- 10月 12, 2024 第一席寸評抄 朝日新聞 岡山俳壇 ― 選評 大倉白帆 1 直近(当月~前月の抜粋)作品 自然の風景も人の営みも、晩秋から冬へと移っています。現在秋の俳句が多く届いています。ハガキを受け取ってから掲載までは早くても一ヶ月以上の日数がかかります。もうすぐ12月、投句作品はぼつぼつ冬・新年の句になりますね。 今年もあとわずかとなりました。皆さまの作品を楽しみにお待ちしております。 令和7年11月15日 白帆 2 最 近~2017年 紙上掲載作品 *目下書き足し中。 1 直近の第一席 ● 父からの便りのやうな朴落葉 (美 作) 駿河 亜希 令7・12・21 掲載 落ちてきた朴の葉からいきなり父を連想。枯れ色になった大きな葉っぱ。筆者は母から何通も封書をもらった。父からは日焼けしたはがき一枚のみだった。 ● 水鳥や山さび色に鎮もれり (美 咲) 川上 京子 令7・12・14掲載 水鳥は鴨・雁など水に浮く冬鳥の総称。その鳥が冬枯れの景に生命を吹き込んだ。またかな書きのさび(寂び)から色彩的な余情が感じられる。 ● 銀杏散る耳はラジオの英会話 (和 気) 今田 結月 令7・12・7掲載 英会話を聴いているときは全神経を耳に集中と思いきや、視線はきっちり銀杏を追っている。受験生ではなく、文化的な暮らしのひとこまというところ。 ● 塗りたての屋根の上行く秋の雲 (岡 山) 大智 靖子 令7・11・30掲載 澄み切った青空に刷毛で描いたような白い雲。塗りたての屋根との対比が鮮やか。ちょっと危うい二者の取り合... 続きを読む
会報「俳句クラシック」 - 9月 08, 2024 会報 『 俳句クラシック 』 昭和・平成・令和を生きる現代作家の軌跡――。 趣意 既発表作品を中心に、各人の作品記録を主眼とします。 1 投稿について ●特別作品 (会より依頼) 既発表作品を中心に、依頼のテーマなどに添って投稿してください。俳句の場合、通常3~10句です。 ● 一般投稿 (投句など) ■ 結社・句会等に所属していない人 :所定の応募要領に沿って投句してください。一定の基準に添い「会報」または当ブログに掲載します。掲載に至らないものについては適宜助言等いたします。 ■ 結社・句会等に所属している人 :作品投稿時に所属を明記のこと。作品掲載は原則一年以上後になります。 2 地域作家紹介・句会紹介 3 季語を考える 4 蕉風俳諧について・ほか 2024年秋 編…募集中。作品掲載は2024年11月末頃の予定。 「会報」+「ブログ」―― 『俳句クラシック』 2024夏の一句 暁や白帆過ぎゆく蚊帳の外 子規 (あかつきやしらほすぎゆくかやのそと しき ) 以後、写真などまじえ順次掲載となります。ご期待ください。 千手山広方寺山門とサルビア 続きを読む
- 12月 01, 2020 さあ海原へ ―― 白帆の十句選 令和2年11月 ■ 白梅句会 海鳴りを被る国道秋遍路 徳子 海鳴りは音だが被(かぶ) るという措辞で、潮(うしお)を被るような臨場感が生まれた。海岸沿いの国道 というスチィエーションもよい。 十日夜行き先捜す救急車 一航 田から山へ神様がお帰りになる日、十日夜(とお かんや・陰暦10月10日)。頼にもよってそんな日に、行き先がまだ決まらない救急車。 渓流の音に木々の葉染まりゆく かすみ 紅や黄に渓谷を彩る様々な木々。清らかな流れのその響きが相俟って、得も言われぬ彩りを染めてゆく。 古池や満月見あぐ鮒なまづ 陽陽空 寂びの象徴古池と花鳥風月の月に対して「鮒(ふな)なまづ」 と付けたところが俳諧。読者は、古池や蛙…の先行句を下重ね に、鮒となまづの月夜の静寂を思い描くことだろう。 杉玉の緑馨し今年酒 登 「芳しい」はしばしば目にするが…。馨(かぐわ)しの読みが、杉玉の緑をより新鮮に感じさせる。 様々なもみぢの集ふ吹きだまり 千都子 もみぢと言っても楓・櫨・蔦・銀杏・柿……と。さらに大小様々、綺麗な葉から枯葉まで。それらが集っていると捉えたところに独自の視線が感じられる。 鵯鳴くや百歳体操いちに... 続きを読む
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