リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ - 9月 04, 2020 秀句鑑賞2020年句会報 ここに落ちるつもりだつたか牡丹雪 葉狩淳子 一片の牡丹雪が地へたどり着いた。ふつう牡丹雪の句は浮遊 している空中の描写か、もしくは地に着いた時点で作品は終り である。しかしこの句は普通終りのところから始まっている。 本当はもっと別なところがあったのではないか…、ためらうよ うに落ちた牡丹雪を見て、自問自答の作者の姿が見えてくる。 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ コメント
- 10月 12, 2024 第一席寸評抄 朝日新聞岡山俳壇 ―― 選評 大倉白帆 1 直近(前月および当月抜粋)の作品 ―― 令和7年は1月12日(日)が最初の掲載日。今回と次回は初春 (はつはる) を飾る作品が多く選ばれた。〈 初明りして島の影橋の影 〉本年第一回は瀬戸内の初日 (はつひ) から始まった。順次投句が届いており、心を引き締めつつ、本年も皆さまの作品を楽しみにお待ちしております。 2 最 近~2017年の紙上掲載作品 *目下書き足し中。 1 直 近 ● 花ミモザかきたま掬 (すく) ふちりれんげ (倉 敷) 渡邊 香 令7・4・13掲載 季語の花ミモザによって、ごく普通の家の食卓が 、 瀟洒 (しょうしや) なおうちのランチ風景に一変した。掻玉 (かきたま) を掬う純白のレンゲに、春の日差しがやさしく注ぐ。 ● 春風に鼻腔 (びこう) 大きな鬼瓦 (赤 磐) 津田 卿雲 令7・4・6掲載 強面 (こわ おもて) の、鼻が売りの鬼瓦だけにユーモラスに感じられる。春風駘蕩 (しゅんぷう・たいとう) とは一見難しい言葉だが、この句の状態だと言えば、何となく分かるのではないか。 ● 電灯の紐がつかめぬ春の宵 (倉 敷) 稲田マスミ 令7・3・30掲載 春宵一刻…寝てなど居れぬ春の宵。べつに行く所がある訳ではない。すっくと起き上がる春の闇。それにしてもじれったい、紐がなかなかつかめない。 ● 手弁当ハムサンドとは春らしく (岡 山) 和田 大義 令7・3・23掲載 弁当自前の奉仕活動か。こういう場合簡単・質素がお定まりだが、ハムサンドに感心しているところが微笑ましい。春ならではの心の機微が感じられる。 ● 軒氷柱 (のきつらら) 上り下りの列車着く (玉... 続きを読む
会報「俳句クラシック」 - 9月 08, 2024 会報 『 俳句クラシック 』 昭和・平成・令和を生きる現代作家の軌跡――。 趣意 既発表作品を中心に、各人の作品記録を主眼とします。 1 投稿について ●特別作品 (会より依頼) 既発表作品を中心に、依頼のテーマなどに添って投稿してください。俳句の場合、通常3~10句です。 ● 一般投稿 (投句など) ■ 結社・句会等に所属していない人 :所定の応募要領に沿って投句してください。一定の基準に添い「会報」または当ブログに掲載します。掲載に至らないものについては適宜助言等いたします。 ■ 結社・句会等に所属している人 :作品投稿時に所属を明記のこと。作品掲載は原則一年以上後になります。 2 地域作家紹介・句会紹介 3 季語を考える 4 蕉風俳諧について・ほか 2024年秋 編…募集中。作品掲載は2024年11月末頃の予定。 「会報」+「ブログ」―― 『俳句クラシック』 2024夏の一句 暁や白帆過ぎゆく蚊帳の外 子規 (あかつきやしらほすぎゆくかやのそと しき ) 以後、写真などまじえ順次掲載となります。ご期待ください。 千手山広方寺山門とサルビア 続きを読む
- 12月 01, 2020 さあ海原へ ―― 白帆の十句選 令和2年11月 ■ 白梅句会 海鳴りを被る国道秋遍路 徳子 海鳴りは音だが被(かぶ) るという措辞で、潮(うしお)を被るような臨場感が生まれた。海岸沿いの国道 というスチィエーションもよい。 十日夜行き先捜す救急車 一航 田から山へ神様がお帰りになる日、十日夜(とお かんや・陰暦10月10日)。頼にもよってそんな日に、行き先がまだ決まらない救急車。 渓流の音に木々の葉染まりゆく かすみ 紅や黄に渓谷を彩る様々な木々。清らかな流れのその響きが相俟って、得も言われぬ彩りを染めてゆく。 古池や満月見あぐ鮒なまづ 陽陽空 寂びの象徴古池と花鳥風月の月に対して「鮒(ふな)なまづ」 と付けたところが俳諧。読者は、古池や蛙…の先行句を下重ね に、鮒となまづの月夜の静寂を思い描くことだろう。 杉玉の緑馨し今年酒 登 「芳しい」はしばしば目にするが…。馨(かぐわ)しの読みが、杉玉の緑をより新鮮に感じさせる。 様々なもみぢの集ふ吹きだまり 千都子 もみぢと言っても楓・櫨・蔦・銀杏・柿……と。さらに大小様々、綺麗な葉から枯葉まで。それらが集っていると捉えたところに独自の視線が感じられる。 鵯鳴くや百歳体操いちに... 続きを読む
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