第一席寸評抄 朝日新聞 岡山俳壇 ― 選評 大倉白帆 1 直近掲載句 朝晩は秋らしく心地よい時候になりました。落ち着いて俳句づくりにいそしむことが出来ますね。 短歌は述べる、俳句は切る――と言います。五七五合わせて17音という最短文芸ですから、ことがらを説明するスペースが充分ではありません。そこでモノと季語の取り合わせだけを提示し、足らずは読者の連想にゆだねる、お任せするのです。 読み手に内容を描いてもらうためには「目に見えるモノ」がよいでしょう。どうしても思いを伝えたいときは季語は見に見えるものを付けるのがよいでしょう。 * 俳句は季節感を大事にします。 季節がずれた場合、その他の事情などで掲載時期が遅れることがあります。 ご諒承ください。 2 最新 ~ 2017年 紙上掲載作品 *目下書き足し中。 1 直近の第一席 ● ひとすぢ に秋の日運ぶ白き鯉 (岡 山) 内田 一正 令8・11・2・掲載 水面を一直線に揺らして進む鯉。秋の日運ぶという描写が印象的である。鯉が行き過ぎたあとには秋の季語「水澄む」の透明感が作品を包み込んでくる。 ● 同じ目の叔母の小言や秋暑し (鏡 野) 原 洋一 令8 ・ 10・ 26・掲載 同じ目とは作者の母の目。姉妹は年とともに似てくるもので、小言のときは特にそっくり。はいはいよく分かりましたという思いが、季語からじわじわと。 ● 夜顔のひらくを待てば月上る (玉 野) 木村 雅子 令8・10・12・掲載 夜を咲く純白の花。もう開くころと出ていると、澄んだ空に月が…。余禄のように登場してきた月が句の本命となった。ムーンフラワーは夜顔の別名。 ● 青空の青に応へし百日紅 (さるすべり) (岡 山) 西...