第一席寸評抄 朝日新聞 岡山俳壇 ― 選評 大倉白帆 待ちわびていたはずなのに、落ち着いて桜を眺めることもなく花のシーズンが終わった……。 こんな気持ちの高齢者は案外多いのかも知れない。 鶯の澄んだ鳴き声に続き、早やほととぎすが鳴き始め、初夏の訪れの近いことが若葉や風からも伝わってきます。 季節の移ろいを見つけると、きっと喜びを感じることでしょう。 1 最 近 ← 8 年 前から * 俳句は季節感を大事にします。 季節がずれた場合、その他の事情などで掲載時期が遅れることがあります。 ご諒承ください。 2 最新 ~ 2017年 紙上掲載作品 *目下書き足し中。 1 直近の第一席 ● 春の川のぞく自転車かたむけて (鏡 野) 西村なほみ 令8・4・27掲載 早くも水草や小魚などの生命の営みが始まっている。それらを覗き込む様子を「自転車かたむけて」と。この単純な所作、その描写が秀句をもたらした。 ● 補強するカラスネットや花の昼 (岡 山) 佐田 京子 令 8・4・20・掲載 生ゴミを狙ってくるカラス対策。町内会役員は明日またやって来るカラスのため、防御ネットを繕っているのである。世間は花見に浮かれているお昼時。 ● ビバルディの「春」の流るる開所式 (岡 山) 石破ますみ 令8・4・13・掲載 明るく希望に満ちたビバルディの「春」。 もし所長や来賓挨拶が続くだけの場合を考えれば、どれだけの効果か。 ビバルディの一曲で優雅な式典になった。 ● 貴賓席めくや紫クロッカス (赤 磐) 桝田つやこ 令8・4・5・掲載 クロッカスやムスカリは垂直方向に咲き上がり、紫色は高貴でエレガント。 ひとかたまりになった様子は、たしかに貴賓席のイメージである。 ● 逃げ出した鬼も出て来て豆をまく (岡 山) 柴田 征子 令8・3・29・...