第一席寸評抄 朝日新聞 岡山俳壇 ― 選評 大倉白帆 1 直近(当月~前月の抜粋)作品 大晦日から新年へ。お正月らしさがうすれてきたと言いますが、新年はやはり気分が改まりますね。新たな気持ちであたらしい句を作りましょう。俳句は季節感を大事にしますので掲載時期が遅れることがありますが、ご諒承ください。 皆さまの作品を楽しみにお待ちしております。 令和7年 歳晩 白帆 2 最 近~2017年 紙上掲載作品 *目下書き足し中。 1 直近の第一席 ● 畳間のパントマイムの冬木影 (岡 山) ひらの ゆう 令7・12・28 掲載 裸木となって寒風に弄 (もてあそ) ばれている冬の木立。その影が日差しを浴びた畳の上でパントマイムを始めている。風が強ければ強いほどリズミカルに。 ● 父からの便りのやうな朴落葉 (美 作) 駿河 亜希 令7・12・21 掲載 落ちてきた朴の葉からいきなり父を連想。枯れ色になった大きな葉っぱ。筆者は母から何通も封書をもらった。父からは日焼けしたはがき一枚のみだった。 ● 水鳥や山さび色に鎮もれり (美 咲) 川上 京子 令7・12・14掲載 水鳥は鴨・雁など水に浮く冬鳥の総称。その鳥が冬枯れの景に生命を吹き込んだ。またかな書きのさび(寂び)から色彩的な余情が感じられる。 ● 銀杏散る耳はラジオの英会話 (和 気) 今田 結月 令7・12・7掲載 英会話を聴いているときは全神経を耳に集中と思...